「2022年築城400年に向けて・石垣からみる福山城」講演会 三浦正幸先生
当初、西学区まちづくり推進委員会総務部事業として城郭、寺社建築の第一人者広島大学大学院教授、三浦正幸先生の講演を計画していましたが、同じ企画の建築士会さまの事業へ参加させていただくことで運よく実現できました。当日エフピコRim9F会議場には200名以上(内、西学区のみなさん70余名)の出席で会場が満席になり、先生の話も2時間におよび、飽きることなく熱の入ったものになりました。
名城「福山城」は観光ガイドの紹介では名城100の中で100番目に載るかどうかの99番目に紹介されているとのこと。情報発信不足‥?
しかし先生の話では福山城は全国のお城の中でも規模、景観において全国10大名城(江戸城、名古屋城、大阪城、姫路城、岡山城、広島城、熊本城、福山城、津山城‥)の中で8位に位置するお城で、近代で最も洗練された新しいお城であり、大いに誇りに思い自慢できるお城であるとの事でした。
福山城は1622年、水野勝成が地政学的に最適地と決め、西国の鎮守としての役割を果たすために現在地に築城し、240年にわたり戦いのない大平の世の中を築いた、いわゆる福山城は平和安定のシンボルといえます。広島・浅野氏、岡山・池田氏など外様大名に睨みを利かせるためには西日本一のお城でないと意味がない、抑えにならないということで徳川幕府の出城として、威嚇と格式を持ったお城が必要であった。10万石の大名でありながら規模としては30~50万石規模のお城であり、五重の櫓の天守を持つ異例の扱いとなっていた。
福山城は海城であり、南から見る景観は西から神辺一番櫓、伏見櫓、鉄筋御門、御湯殿、天守閣、月見櫓と並び、西国一美しいお城と言われています。残念ながら福山市民にはその雄姿を新幹線高架のため見ることは出来ません。しかし新幹線を利用する人たちは福山城の素晴らしさを実感しているようです。
石垣からみる福山城は城づくり最後のお城であり築城技術の粋を集めて造られており、石垣の石組(算木積み工法)は全国のお城の中でも最も美しく造られたお城の石垣です。とりわけ伏見櫓の台座の石垣は熟練された石工が表面を整え105°~110°の角度で計算された算木積みの石垣が実に美しく積み上げられています。築城当時の現存する伏見櫓とその台座の石垣は国宝に値するとのことです。
2022年築城400年には福山誕生の原点である福山城を、本来の伝統的工法による木造建築で天守閣を再建したいものです。
福山城の歴史と知識を得ることによって、福山の誇りと郷土愛を取り戻すいい一日となりました。